皆さんこんにちは!
今回はあまり知られていないイギリスの名窯「ハマースレイ」の歴史について紹介したいと思います😊
ハマースレイ窯創業
ハマースレイ窯の前身となった窯は、1862年にイギリスの陶磁器の名産地であるストークオントレントのロングトンの地にハーヴェイ・アダムス、ロバート・ジョージ・スクリヴナー、そしてタイタス・ハマースレイの三名が共同出資して出来たアダムス・スクリヴナー窯が誕生しました。窯名にはまだハマースレイの名前がまだないので、主体はアダムスとスクリヴナーの2人だったのでしょう。
実はアダムスの偉大な発明がヴィクトリア朝後期の英国の口髭を生やした男性たちの間で大ブームを引き起こします。それが「マスタッシュカップ」です。口髭は『紳士』の証にも捉えられました。しかし、この口髭は飲み物を飲む時には非常に厄介な存在となりました。ミルクたっぷりのミルクティーを飲むと、大切な口髭にミルクがくっついてしまいみっともない。そこで、アダムスは口髭を濡らさずに飲めるティーカップ「マスタッシュカップ」を開発したのです。
マスタッシュカップ(注アダムス窯ではありません) |
1869年には出資者の1人であるスクリヴナーが引退し、社名を「ハーヴェイ・アダムス窯」へと変更します。まだ窯名にハマースレイの名前は出てきませんね。実は、この頃ハマースレイは隣接していた工場にあったフリーマン窯にも出資しており、そちらでは、「フリーマン・ハマースレイ窯」へと1865年に変更しているので、アダムス窯にまだ全力を注いでいたわけではなかったようです。
1875年にタイタス・ハマースレイが亡くなった後は、タイタスの長男であるジョージ・ハリス・ハマースレイへと引き継がれ、ジョージはその後もアダムスと共に仕事をつづけました。
そして、1885年にはアダムスも引退することとなります。そこで問題となるのが誰が「アダムス窯」を引き継ぐかということです。アダムスにも子供たちがいましたが、医学や教育の道へ進み誰も後継者にはなりませんでした。そのため、アダムス窯としてはいったん閉業となりました。
しかし、2年間のブランクの後、1887年にはアダムス窯のパターンブックを引き継ぎ、ジョージ・ハリス・ハマースレイが「ハマースレイ窯」を創業しました。
ハマースレイの作品
「ヴィクトリアンヴァイオレット」
ヴィクトリアンヴァイオレット カップ&ソーサー(Replacement参照) |
ハマースレイと言えばスミレ柄を連想する人が多いのはこのロングセラーのヴィクトリアンヴァイオレットの影響です。バックスタンプを見ると1900年初頭の物から1940年以降のものまであり、時代ごとにスミレの絵やカップのシェイプが変わっています。
「レディパトリシア」
レディパトリシア カップ&ソーサー(YUMIKICHI参照) |
私のオンラインショップYUMIKICHIに始めてやってきてくれたハマースレイのカップはこちらのレディパトリシアでした😊ヴィクトリアヴァイオレットだけでなく、ハマースレイにはこの作品のように金彩の素晴らしい作品も多くあります。
ハマースレイらしいユニークで可愛らしいカップの持ち手には全体に金彩が施されていて、波打つようなシェイプはとても気品があります。ハマースレイのデザイナーにはあまり詳しくないのですが、花柄のデザインによくみられる”F.Howard”のサインも見られます。
ハマースレイの終焉
残念ながらハマースレイも第二次世界大戦後の合併、吸収の波にはあらがえず、1966年にはスポードグループの傘下となりました。
終わりに
隠れた名窯ハマースレイの歴史はいかがでしたか?感想を是非コメントに残してみて下さいね😊
今後もYUMIKICHIではハマースレイの商品を追加していくのでどうぞよろしくお願い致します。
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