ドイツの7大名窯の歴史についてー第1回マイセン、KPMベルリン、ニンフェンブルグ

2022/02/12

ドイツ窯

t f B! P L

皆さんこんにちは👧

今回はドイツの主要な窯として知られる7つの名窯を紹介したいと思います✋数が多いので2回に分けて紹介していきますね。

まず、その7つに数えられる名窯はマイセン、KPMベルリン、ニンフェンブルク、ヘキスト、フュルステンベルク 、フランケンタール、ルートヴィヒスブルクです。どの窯も創業は18世紀に遡り、とても長い歴史があり、高品質な磁器を製造し続けてきたことでその地位を確立してきました。

しかし、当時のドイツは現在見られるような1つの国ではなく、プロイセン王国(Prussia)といった大国の他、ザクセン(Saxony)やバイエルン(Bavaria)といった小さな公国、侯国が独立して存在するような形でした。(下図は1790年頃の地図)

1790年 現在のドイツ周辺の地図

そのため、それぞれの窯は当時の各国を代表する窯として創業され成長を続けてきたという見方の方が正しいのかもしれませんね。

マイセン

マイセンの歴史については過去の記事でも紹介しましたが、マイセンはザクセン選帝侯アウグスト強王の命令により、ヨーロッパで初めて「白い金」として重宝されていた硬質磁器の製造に成功しました。そして、1710年にドレスデンの地に「王立ザクセン磁器工場」を設立しました。

青い双剣のマークがシンボルでシノワズリ柄からバラ柄まで高級感が漂う食器が人気ですね🌹

作品紹介

「ブルーオニオン」

1739年に中国の染付を模倣することで誕生した代表的なデザインです。元々の中国の絵付けではザクロが描かれていましたが、当時のドイツでは馴染みがなく代わりに身近なタマネギを描いたと言われています😂

「スワンサービス」

ウェッジウッドのフロッグサービス、そしてロイヤルコペンハーゲンのフローラダニカに並びその芸術性から世界三大ディナーサービスに数えられるマイセンの傑作です。1737~1741年にマイセンの偉大な成型師の1人であるケンドラーによって型が制作されました。水をテーマに、白鳥や魚などを浮き彫りにした、18世紀の白磁芸術の頂点ともいえる作品です。絵付けのない「スワンホワイト」も人気があります。

「ピンクのバラ」

マイセンの可愛らしいフラワー柄の中でも特に人気が高いデザインです。薔薇は1つ1つ丁寧に手描きで絵付けされているため、薔薇の形や向きがそれぞれ少しずつ違っています。

マイセン ピンクのバラ CS
マイセン ピンクのバラ CS(楽天市場より)

フィギュリン(磁器人形)、マイセンでは食器だけでなく「宮廷の光景」「羊飼いシーン」「イタリア・コメディ」など現在まで数多くの可愛らしいフィギュリンが生み出されています。

KPMベルリン

マイセンに遅れること約50年、1763年にはプロイセン王国でもフリードリヒ2世の指導の下、KPMベルリン(Konigliche Porzellan Manufaktur)ベルリン王立磁器製陶所が誕生しました。1つ1つ手作業で丁寧に作られており、ロココ調の可愛らしいデザインからモダンなデザインまで気品あふれる作品を数多く生み出しています。

刻印としてフリードリヒ2世が与えた「王の笏(しゃく:杖のようなもの)」をコバルトブルーで描かれています。

作品紹介

「クアランド(KURLAND)」

1790年ドイツのクアランドの地にいたペーター・ビロン(Peter Biron)公爵がKPMベルリンにロココ調の豪華なディナーセットを依頼しました。リボンなどの繊細で可愛らしいレリーフを取り入れたデザインは依頼主であるペーターの地名クアランドと呼ばれ、長らく愛され続けています。

「ロカイユ」

貝殻を意味するロカイユはロココ様式には不可欠な要素ですね。1767年にフリードリヒ・エリアス・マイヤーがデザインし、1857年、フリードリヒ・ヴィルヘルム4世の時代に「ロカイユ」の名を与えられたデザインです。貝殻のような緩やかな曲線が可愛らしいロカイユはKPMベルリンの代表作です。

KPMベルリン ロカイユ36 CS
KPMベルリン ロカイユ36 CS(楽天市場より)

ニンフェンブルグ

ザクセン公国ではアウグスト強王のもとマイセンが、そして大国プロイセン王国でもフリードリヒ2世によってKPMベルリンが誕生した同時期に、バイエルン公国にもその地を統治していたヴィッテルスバッハ家の選帝侯マクシミリアン3世ヨーゼフが磁器の製造に関心を示していました。

そして、1747年にマクシミリアン3世はニンフェンブルグ窯を創設し、その7年後には「白い金」である磁器の製造に成功しました。磁器製造の成功で窯は大きく成長を遂げ、1761年には製造拠点をニンフェンブルク城内に移転し、現在でも城内にある工房で、伝統の技術を重んじ、完全手作業で製造を続けています。そのため、量産はできませんが、受け継がれてきた伝統技術を使って手作業で作られた作品は他にはない温かみを感じます。

流通量がかなり少ないニンフェンブルグ窯の作品ですが私のオンラインショップ「YUMIKICHI」にも数点やってきてくれました👧

ハンドペイントで描かれた花々はとても繊細で見るたびにため息が出るほどの美しさです💕

赤いブーケ柄のトリオ (YUMIKICHIにて販売中)

終わりに

いかがでしたか?今回はドイツの7大名窯の中の3つについて紹介しました!

次回は残りの4つを紹介したいと思いますので是非楽しみに待っててくださいね👍




自己紹介

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ぐりちゃん
海外で出会った可愛いアンティークやヴィンテージ食器の情報を発信しています! 日本では中々手に入らない物も沢山あり驚きが止まりません! オンラインショップ もやっているので是非見てみてくださいね。

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