シェリー窯の歴史についてのお話

2022/10/07

シェリー

t f B! P L

今回は、シェリーという英国の名窯の歴史についてまとめてみました。シェリーの魅力ある軌跡をぜひ最後までお楽しみください。

まず、シェリー窯を知らない人にその魅力を少し書きますね。シェリーのボーンチャイナは、他のメーカーよりも粉砕した骨の割合が高いため、アイルランドのベリーク陶器に似た薄くてとても丈夫な半透明のチャイナが特徴です。そしてデザインも非常に美しく多様性に富んでおり、15,000以上のパターンが施されてきました。


シェリー窯の前身、「フォーリー窯とワイルマン窯」 

シェリーの物語は、1860年頃、英国スタフォードシャー州のロングトンとフェントンの間にあった大きな「フォーリー窯」がシェリー窯の前身です。そのオーナーであったワイルマン家が、高級陶磁器の製造を目的として第二窯を建設しました。そしてその2年後、ジョセフ・B・シェリーはドレスデン工場の職を辞して、販売員としてヘンリー・ワイルマンとその息子たちのもとに加わりました。1864年、ヘンリーが亡くなった際には、彼の2人の息子チャールズとジェームスが2つの工場を分けますが、1870年には、チャールズも引退し、ジェームズは両社を引き継ぎました。そして、彼はジョセフ・シェリーをパートナーに迎え、会社は「ワイルマン窯(Wileman & Company)」として知られるようになります。 2つある工場の1つでジェームズが陶器製造をする一方で、もう1つの工場を任されたジョセフ・シェリーはチャイナの生産を担当するようになりました。


ジェセフ・シェリーとパーシーシェリー

シェリーは、チャイナの品質を向上させ、海外輸出の仕組みを構築することに努めました。 1881年、ジョセフ・シェリーは息子のパーシーを会社に迎え入れます。 それから、パーシーは約50年にわたり会社を経営することになりました。パーシーはビジネスを素早く習得し、陶磁器の外観と品質を向上させるために、一流の陶芸家や石版画家を探すことに着手しました。人気のあるデインティの形は、その中の一人、ローランド・モリスというアーティストによって生み出されました。

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1896年、ジョセフの死後、パーシー・シェリーが全権を握るようになり、イギリス国内だけでなく海外への販売にも目を向けました。  有名なフレデリック・ルヘッドがアートディレクターとして働くようになり、数々の美しいチャイナが生み出され、会社のシンボルとなりました。会社名を変更したワイルマン窯ですが、バックスタンプには「フォーリー」という刻印の使用を続けていました。しかし、1910年頃、パーシーは他の窯元と「フォーリー」という名称の使用をめぐって法廷闘争を繰り広げるようになります。そのためでしょうか、その頃からバックスタンプには「レイトフォーリー」という刻印とともに「シェリー」刻まれたため、初期のシェリー作品をレイトフォーリーと呼ぶこともあります。そして、 1925年には会社名も正式に「シェリー」と命名され、私たちはこの名前への愛着を深めていったのです。


シェリー窯の成長と終焉

その後、アールデコ調のデザインで知られるエリック・ウォルター・スレーターに加え、ヒルダ・カウハム、メイベル・ルーシー・アットウェルといった有名作家が起用されるようになりました。 コレクターの中では、シェリー様式は、1920年代から1930年代にかけてのアールデコ様式でピークを迎えたとも言われています。1932年、パーシー・シェリーは引退し、息子のパーシー・ノーマン・シェリー、ヴィンセント・ボブ・シェリー、ケネス・ジャック・シェリーが後を継ぎました。 第二次世界大戦が始まると、貿易委員会はイギリス国内の陶磁器の生産を大幅に削減するよう求めましたが、シェリーでは輸出ビジネスが好調だったため、生産を継続することが許可されたのです。戦争が終わると生産はさらに加速し、1950年代には数え切れないほどの柄のボーンチャイナが大量に輸出され、国内生産も再び増加し始めました。しかし、1950年代後半になると、陶磁器産業は近代化し、小さな会社が大きな会社に統合され、より安い価格で大量に生産されるようになりました。 シェリー窯の高価なボーンチャイナは市場シェアを失ってしまい、 1966年、シェリー窯はアライド・ポタリーズに売却されました。 シェリーラベルの陶磁器は、在庫がなくなるまで、一時的に生産が続けられましたが、現在、シェリー社の施設はすべてなくなってしまいました。 


終わりに

イギリスの名窯シェリーの歴史はいかがでしたか?感想を是非コメントに残してみて下さいね😊

今後もYUMIKICHIではシェリーの商品を追加していくのでどうぞよろしくお願い致します。

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ぐりちゃん
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