今回は、マイセンの「スワン・サービス」、ウェッジウッドの「フロッグ・サービス」と並んで、世界3大ディナーサーヴィスの1つに数えられるロイヤルコペンハーゲンの最高級シリーズである「フローラダニカ」とそれから派生したシリーズを紹介します!
デザイン
始まりはデンマークに自生する全ての植物を収めた図鑑「フローラダニカ」です。デンマークの植物学者であるG.C.エーダー教授により1753年に提案され、1761年に編纂がスタートしました。それから、123年を費やし1883年に遂に3240枚の銅版画を収めた図鑑が完成しました。
Wikipediaより抜粋(植物図鑑フローラダニカ Plate 2665) |
時期を同じくして、1788~89年に防衛同盟国であるロシアがスウェーデンと交戦している際、肝心な時にデンマークはロシア軍を支援できませんでした。そのためロシアの女帝エカチェリーナ2世への和解の贈り物として、デンマーク国王クリスチャン七世が王立ロイヤルコペンハーゲン磁器製作所にフローラダニカの図鑑の植物をそのまま磁器表現してディナーセット制作するよう言い付けました。その任を請け負ったのは当時植物図鑑「フローラダニカ」の編纂にも携わったヨハン・クリフトフ・バイヤーでした。しかし、1796年にエカチェリーナ2世が他界したこと、またバイヤーが視力を失うことなどが重なり、1802年に皇太子は1802点のフローラダニカをもって生産を中止としました。その後、数百点が紛失しましたが、現存する1530点は現在、クリスチャンボー宮殿(Christiansborg Palace)、アマリエンボー宮殿(Amalienborg Palace)、ローゼンボー城(Rosenborg Castle)にデンマークの国宝として展示されています。
フローラダニカディナーセット(クリスチャンボー宮殿)by Edelseider, CC BY-SA 4.0 |
勿論オリジナルの物は手に入りませんが、現在でも公式ロイヤルコペンハーゲンでは完全オーダーメイド制で、約3000種類の花のモチーフと40種類のフォルムの中から自分だけの品を注文することができます。15人ほどフローラダニカの絵付師がいますが、1人1人絵の感じが違うので1枚として同じものはありません。
バリエーション
「フローラダニカ」
フローラダニカ カップ&ソーサー(出典:楽天市場) |
フローラダニカの名前はフローラが花、ダニカがデンマークを意味し、デンマークの植物が描かれています。そして、プレートのエッジはとても特徴的なギザギザの形になっています。裏面には描かれている植物がラテン名で表記されていることが多いですね。また、少し小さいので見え辛いかもしれませんが、フローラダニカの作品の多くは四角く囲まれた中にピンクで色付けされているのが特徴で、下に紹介する他のシリーズとは違う色にして区別しています。フローラダニカのペイントには複数人の絵付師が関わるため、裏面のサインも2人以上書かれることが多いですね。それだけ、丹精こもった作品なんです。カップやプレート他にも沢山のフォルムがあるので、良かったらロイヤルコペンハーゲン公式のこちらのリンクから見てみて下さいね。
「ファウナダニカ」
ファウナダニカ プレート(出典:楽天市場) |
ファウナダニカのファウナは動物を意味するので、デンマークの動物が描かれているのがファウナダニカシリーズですね。1960~80年頃に、フローラダニカのシリーズを拡大するために作られました。フローラダニカ同様に図鑑のように正確に動物を磁器に描くというのは大変な作業で数人しか絵付け出来るペインターがいなかったそうです。ファウナダニカの多くの作品は中がミントグリーンに色付けされた長方形が装飾されています。
「フローラヤポニカ」
フローラヤポニカ(出典:フルートと音楽の日々様) |
フローラヤポニカのヤポニカはなんと日本のことです。2017年にはデンマーク日本外交関係樹立150周年ということで、初めての他国である日本の花を描いた「フローラヤポニカ」が発表されました。フローラダニカ同様、ドイツの学者シーボルトによって編纂された植物図鑑「フローラヤポニカ」が原画となっています。フローラヤポニカの作品は中がブルーに色付けされた長方形が装飾されています。
終わりに
いかがでしたでしょうか?世界三大ディナーサーヴィスであるフローラダニカ1度は手にしてみたい1品です!これもまとめて欲しい!っていうシリーズなどありましたらコメントお願いします👍
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