皆さんこんにちは。今回はイギリスの名窯「パラゴン」の歴史について書いていきますね😀
実は「パラゴン」の歴史は「エインズレイ」窯と密接に関わっていると言えます。そのため、もしまだ以前紹介した「エインズレイの歴史についてのお話」を読まれていない方は是非先にチェックしてみて下さいね☆
それでは、「パラゴン」窯の歴史についてみていきましょう!
「スターチャイナカンパニー」として創業
今では「パラゴン」として多くの人に知られている名前ですが、実は元々は「スターチャイナカンパニー」という名前で窯は始まりました。創業したのは1897年のことです。エインズレイ窯の躍進に大きく貢献した、ジョン・エインズレイ2世の息子たちであるハーバート・ジェームズ・エインズレイとジョン・ジェラード・エインズレイに加えてウィリアム・イリングワースの3人がそれぞれ出資しあって窯が誕生しました。
特にハーバートはジョン・エインズレイ2世の長男であり、長年にわたって父のもとで良質な陶磁器の製造に携わり、多くの経験を積んでいました。この経験は、スターチャイナ・カンパニーに受け継がれていったため、どことなくエインズレイの作品とパラゴンの作品には共通点が見つけられることがあると思います。
ハーバートの末娘は1907年に、ロングトンのルビアン・アート・ポタリー社の販売代理店であったヒュー・アーヴィングと結婚しました。ヒューはその後、義父のハーバートと共に共同経営者となり、そして、1927年ハーバートの引退の後はヒュー・アーヴィング一家による経営が1960年に「ロイヤルアルバート」で知られるトーマス・C・ワイルドに買収されるまで続きました。
「パラゴン」はトレードネームとして始まった
窯の中には、メーカー名とは別に、「トレードネーム」と呼ばれる名前を販売促進のために、商品に用いる場合があります。チャップマン・ロングトン窯の「ロイヤルスタンダード」やトーマス・C・ワイルド窯の「ロイヤルアルバート」などがそれぞれトレードネームにあたりますね。
スターチャイナカンパニーでも1903年に自社の作品のトレードネームとして「パラゴン」=完璧な作品と名付け販売を開始しました。トレードネームは下の写真のようにカップやソーサーなどのバックスタンプに刻印されるため、多くの商品が売れると窯名を上回ってトレードネームの認知度が上回ってくることがあります😂そして、1919年社名を「パラゴン」と改名することとなりました。
1904年頃のバックスタンプのトレードマーク「パラゴン」(thepotteries参照) |
「パラゴン」の作品から見る歴史(ロイヤルワラント)
「ツーフォージョイ」
1926年、パラゴンはエリザベス王女の誕生を記念して「ツーフォージョイ」というデザインを発表しました。このデザインは、エリザベス王女の洗礼式で目撃されたとされる2羽のカササギを描いたものでした。ヨーク公爵夫人(ジョージ6世)はこのデザインを気に入り、一部の陶磁器を購入しました。
「ツーフォージョイ」(1926年発表) (Replacement 参照) |
「プリンセスマーガレットローズ」
そして1930年にマーガレット・ローズ王女が誕生した際にもヨーク公爵夫人は「パラゴン」にティーサービスを依頼しました。このパターンにも2羽の鳥が描かれ、それに加えて王女の名前にちなんでマーガレットとローズの花がデザインされている。
「プリンセスマーガレットローズ」(1930年発表) |
このようにして、王室からの長く愛される「パラゴン」の歴史が始まりました。その後、女王(メアリー)をはじめとするロイヤルファミリーは、パラゴンのデザインに魅了され、定期的にオーダーしていました。
そして、1933年に「ロイヤルワラント」つまり王室御用達としての許可証をメアリー女王から授与され、イギリス王室公認の「パラゴン」窯が始まりました。そして、フォーチュンテリングカップやローズハンドルなど人気作品を数多く世に出しました。
しかし、先ほども書きましたが「パラゴン」は1960年にTCWに買収されます。その後も合併や吸収を繰り返しながらも、「パラゴン」のブランド名で製造を続けましたが、残念ながら1991年には製造が終了してしまいました。
終わりに
今回は「パラゴン」の歴史について紹介しました。
私のオンラインショップyumikichiでも、パラゴンのお品を取り扱っているので是非ご検討ください!
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